2017年7月21日金曜日

親密な関係と心の安全基地

親密な関係性は、人が生きる上で最も大切な宝です。

愛着(attachment)とは、親密な人との安心・安全な結びつき感覚です。
これは幼い子どもと親との安全な結びつきから始まり、一生を通して心の安定に必要不可欠です。
愛着がイギリスで概念化された当初は、幼い子どもと親の間に形成されて、それがきちんと整備されれば、大人になっても大丈夫と考えられていました。つまり、「三つ子の魂100まで」、小さい頃にしっかり安定感を築けば、それが心の中に根付いて、一生それでやっていけるという考え方です。
しかし、その後の研究で、子ども時代だけでなく、一生を通じて、安心できる対象関係が必要なことがわかりました。
つまり、子ども時代にホッカイロを手に入れれば一生使えるというものではなく、一生を通して暖かい暖炉を身近にキープします。

愛着関係は心の安全基地です。
愛着関係が十分に成就すると、心が暖色系に染まり、暖かくなります。人との関わりをプラスに受け止め、人間関係がうまくいき、人生が暖かくなります。
愛着関係が不十分だと心が寒色系に染まり、冷たくなります。人との関わりをマイナスに受け止め、人間関係が冷たくなります。

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具体的にお話ししましょう。

自立しようとしている思春期の子どもを考えてみましょう。
思春期になると、自らの力で仲間関係を作っていくために、周りの人の空気を読み始めます。どんな空気か誰も教えてくれません。自分で感じ取ることが求められます。
まわりの仲間や友人が自分に話しかけアプローチしてききたら、それが何を意味するのかを読まねばなりません。相手はそこまで教えてくれません。自分で解釈します。

暖色系の心は周りからのメッセージをプラスに受け止め、その人は自分をプラスに思っているのだろう、自分はその人から認められているんだと好意的に受け止めます。

寒色系の心は、周りからのメッセージをマイナスに受け止めてしまいます。
もしかしたら、相手の人は私のことを嫌っているのでは、ダメな人と内心思っているのではないだろうか。自分は周りの人から認められていないと思います。
疎外感から一人ぼっちになり、自分の居場所ではない、自分がそこに入っていくのが辛くなり、その場から撤退を余儀なくされ、居場所を失い、ひきこもります。

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職場の人間関係を考えてみましょう。
暖色系の心は、職場の人たちのまなざしをプラスに受け止め、自分は認められていると感じます。まわりから支えられていると感じます。忙しい仕事や難しい人間関係でも、なんとか乗り切ることが出来ます。

寒色系の心は、職場の仲間たちからのメッセージをマイナスに読み取ります。自分は嫌われている、自分は認められていないと感じるので、同僚たちのことが嫌いになり、自分はダメな人間だ、この職場は向いていない、自分だけ阻害されているという風に感じます。

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思春期の子どもを持つ親の心を考えてみましょう。
親は子どもが幼い時は守る愛をたっぷり与えます。
思春期になると、放す愛を与え、自立を促します。

親の心が暖色系だと、子どもの周りの友達や先生からのメッセージをプラスに受け止めます。多少のいじめとか傷つき体験もあるかもしれないけど、うちの子どもはそれを乗り越えられる力を持っていると安心するので、親子の心の絆を緩め、子どもが親から離れて自立していく姿を安心して見守ります。

親の心が寒色系だと、周りの人たちからのメッセージをマイナスに受け止め、先回りして心配して、子どもを危険から守ろうとします。子どもに自立する力が備わっていても、それを見過ごしてしまい、子どもはいつまでも幼いと感じてしまいます。
まだ巣立つのは早い、家にいなさい。親があなたを守るから!
本当は子どもに自立してほしい、成長してほしいと願いつつも、心の不安感から先回りして心配して、子どもを手放すことができず、親の不安で子どもを縛り付けてしまいます。

子どもにそれを跳ね返す力があれば、親に反抗して、親の絆を断ち切ります。
子どもの跳ね返す力が弱ければ、親の不安をそのまま受け取り、自分は自立するにはまだ早いから、まだ子どものままでいるしかないと思い込みます。

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夫婦関係を考えてみましょう。
暖色系の心は、安心感に満ちています。相手が遠ざかっても心配しません。相手が自分に近づいてくると、暖色系のフィルターを通すと愛情というプラスの気持ちなります。お互いにプラスの気持ちで惹かれ合い、安全で愛情に満ちた関係を築くことが出来ます。

寒色系の心はとても孤独で、相手からの温もりを渇望しています。
しかし、相手のメッセージをどうしてもマイナスに受け止めてしまいます。自分のメッセージも相手にマイナスに受け止められてしまうことが怖くなり、言いたいことをなかなか言えません。
相手が近づいてくると怖くなり、不安を抱きます。逆に、相手が遠ざかるそぶりを感じると、自分は見捨てられた不安を抱きます。
夫婦がお互いに近づくことも遠ざかることもできず、相手の心もだんだんと冷えてゆきます。お互いのメッセージをマイナスに受け取り合うので、夫婦関係が冷たくなります
。一緒にいることが苦痛になります。

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心が寒色系に染まり、冷たくなると、とても生きづらくなります。
  • 人をどう愛したらよいのかわからなくなります。
  • 人が近づいてくることを恐れます。
  • どうやって人に近づいたらいいのかわからなくなります。
  • 人との関係がとても苦しいので、人との交流を閉ざします。
  • あるいは、その逆に、必死に相手を求めるあまり、不適切に人を求めすぎてしまいます。人に怒りをぶつけたり、反抗的になったり、暴力を振るうこともあります。
  • 自尊心を持てなくなり、自分はダメな人間だと自分を責めます。
  • 生きていることがとても辛く、困難になります。
  • 心が冷えるとうつ病、不安障害、境界性パーソナリティ障害などの心の病気にかかりやすくなります。
  • 身体も冷えて、身体の不調をきたします。心身症や疲れやすさ、自律神経系の症状が出現します。
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以上みてきたように、心の暖かさは、幸せな人生に必須のアイテムです。

では、どうやったら心の暖かさを取り戻すことが出来るのでしょうか。
どうやったら、心の安全を確保できるのでしょうか。

自分ひとりで、暖かさを発生することは、できないことはないのですが、なかなか難しいです。心に昔あった暖かさの残り火があれば、そこに風と酸素を吹き込んで、暖かさを取り戻すことが出来ます。しかし、火を起こす技術はキャンプでもなかなか難しく、経験と慣れが必要です。

ベストな方法は、身近で大切な人と触れ合い、暖かさを共有することです。
家族が一番です。親子や夫婦・パートナー、きょうだいや親族など。
あるいは、友人や仲間、教師や同僚など、家族以外の親しい人でも構いません。十分に近く、信頼し合える関係であれば。
遠いと暖かみが伝わらないので、十分に近づき、ゆっくりと伝えていきます。

  • 愛着は愛情を通して伝わります。
  • その人を尊重し、信頼し、全面的に認める深い愛情です。
  • 愛情深いスキンシップやコミュニケーションを与えます。
  • 安全な感覚を呼び戻し、安全を保障します。
  • 肯定的なまなざしを与え続けます。
  • 安全にお互いの心を語れる環境を整えます。

しかし、これもなかなか難しい時があります。
伝え合う人の心が十分に暖かくないと、相手に伝えることが出来ません。
暖かさが強いか、冷たさが強いか。
相手に近づき暖かさを伝えようとしても、相手の冷たさに負けてしまうと、暖かった人も冷たくなってしまうこともあります。

家族全体が持っている熱(安全な愛着経験)の総量によります。
それが不十分だと、家族同士で分け与えようとしても、家族全体が冷え込んでしまいます。

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セラピストは、心のエネルギーのガソリン・スタンドです。
セラピストの心の暖かさを伝え、クライエントの心を温めます。
そのためには、セラピスト自身が十分な心の暖かさを持っていなければなりません。

セラピストのためのガソリン・スタンドもあります。
それが、スーパーヴィジョンです。
クライエントに分け与えて冷えてしまったセラピストの心に、上級セラピスト(スーパーヴァイザー)が暖かみのガソリンを補給します。

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家族療法家は、家族全体のためのガソリン・スタンドです。
冷たくなった当事者が給油に来れれば良いのですが、事情があって来れない時、家族の誰かに来てもらいます。
来れる人にガソリンを与え、家族同士でシェアしてもらいます。
ガソリンを持ち帰っても、上手な伝え方がわからないと、うまく注げずこぼれてしまいます。
家族療法家は、家族同士で暖かみを分け与える方法を伝授します。
そして、家族全体が暖かくなるように見守ります。

2017年7月11日火曜日

親の元気を子どもに伝える(ひきこもり脱出講座より)

「ひきこもり脱出講座」での様子をご紹介します。

・子どもにどう関わったらよいかわからない。
・子どもに何を伝えたらよいかわからない。

そのような親の気持ちを受け、講座では、子どもにどう関わったらよいかをお伝えしています。伝えたいことはあるけど、
・伝えて良いのだろうか?
・伝えると、かえってマイナスになって悪くなってしまうのではないだろうか?
そんな気持ちから、素直に伝えられません。
・子どもに問題が生じてしまった。もしかしたら、親の私がいけなかったのかしら?
・今までの親の関わり方が良くなかったのがひきこもりの原因なのかしら?
今まで、必死に親をやってきただけに、子どもがうまく行かないと、親も自信を失ってしまいます。
すると親の心がフリーズして(凍って)しまいます。
子どもに伝えるべきことを何も伝えられず、まるで腫れ物を触れるように接して、何も言えなくなってしまいます。

しかし、これではいけません。
進むべき道と自信を失った子どもに対して、親は自信とガイドラインを与えます。
そのためには、まず親としての自信をしっかり確保しなくてはなりません。
講座では、そのフリーズを解除して、親の自信を回復する道筋を作っていきます。

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脱出講座に参加した皆さんに、子どもに「出さない手紙」を書いてみましょうとお勧めします。何を子どもに伝えたいのかを点検し、イメージトレーニングをします。
「実際には出さないけど、本当に出すつもりで、子どもに親の本当の気持ちを伝えてみて下さい。」

そのようにして書かれてお手紙をご紹介します。

前回、武史(仮名)に手紙を書いたのはいつだったっけ。
「武史を手放すよ。あなたは社会に戻りなさい。戻れる力があるから。」
そういう内容だったと思います。
ああいう手紙は、ママの心が元気でないと書けないし、武史が元気でないと渡せないと思っています。

あれから少し時間が経ちましたが、武史は今なにを考えていますか?
今回は、武史にこんな風になって欲しいなと思っている、ママの気持ちを書きます。
人間はね、三つの資源で育つんだよ。
最初は、家族。
次は、学校と友だち。
その次は、社会生活と他者。
どの資源でも、成功と失敗を繰り返して、その体験が人を育てる。たとえ与えられた資源がイマイチでも、人間はその中で生きていかなければならないと思う。

武史が自分をどう思っているかわからないけど、武史は社会経験が不足しているので、社会によって育てられていないと、ママは思っている。パパやママの話から知識として理解しているかもしれないけれど、武史の実体験ではないもの。
だから、武史には実体験をいっぱいして欲しいの。社会に出ていって欲しい
失敗したら、まだ戻ってくればよいし、そして、また出ていけば良いんだよ。

武史はとても慎重で、何かする前にたくさん調べてから行動する人だと思っています。そこが武史の良いところだと思う。でも慎重すぎて、なかなか動けないのかなと思う時がある。武史が抱えている生きづらさもママは理解しているつもり。音や光に敏感で、人とのコミュニケーションが苦手と思っている。そして静かな生活を望んでるかな。

それでも、家に隠れないで欲しいし、具体的にどうしたら社会に出て行けるか、どういう形が武史にとって望ましいかを考えて欲しい

これがママの今の気持ち。ママは緊張していて、失敗したらどうしようと不安な気持ちで武史に話しかけると、まわりくどくてストレートに話すことが出来ないです。
だから手紙を書いてます。

武史が自分で決めて、自分の道を進んでいくときに、「じゃあ協力して」ということがあれば、たくさん協力するからね。「相談したい」というのであれば相談に乗るよ。対話がとても大事だから。

まわりくどいママからでした。
また、書きますね。

とても素晴らしいお手紙です。
なにが素晴らしいのか、具体的にご説明しましょう。

親の導き(ガイドライン)を示しています。

実体験をして欲しい。社会に出ていって欲しい。
と、決してお説教ではなく、わかりやすく丁寧に伝えています。
「親は子どもに何も期待してはいけない。」
と信じていらっしゃる方が多いのですが、これだけではいけません。
よく、「親は子どもに何も期待せず、あるがままの姿を認め、生きているだけで良いよ
と伝えてあげましょう」と言われます。
これはとても大事です。
そのままの姿を承認するのは守る愛です。
親がしっかりこのような愛情を伝えると、自分は守られているという安全の感覚を抱くことができます。そして安心して他者を信頼して、自分はこの世に存在するに値するんだという根本的な信頼を抱くことが出来ます。
子どもは、とても安定します。

〇放す愛を伝えています。
しかし、守る愛だけでは前に進めません。
「変わらなくてよい。生きているだけで良い。」というメッセージでは、ひきこもりから脱出して前に進むことが出来ません。安心してずっとひきこもっています。
守る愛と同時に、放す愛
つまり「今のままではいけない。変わりなさい。そして君は前に進む力を持っている。」と伝えます。
武史君のお母さんも「社会に戻れる力がある」と、しっかり放す愛を伝えています。
・実体験をして欲しい。
・社会に出て欲しい。
と明確に進むべき方向を示しています。
それは決して高すぎるハードルではありません。
子どもは、親に示されたハードル(期待)を飛び越えることで親の承認を得て、前に進む自信を獲得します。

〇子どもを信頼しています。
具体的にどうしたら社会に出て行けるか、どういう形が武史にとって望ましいかを考えて欲しい
と、その進み方、どのような道を選択するかは本人に任せています。
しかし、前に進まないという選択肢はないことも、はっきり伝えています。

〇親の本音をちゃんと伝えています。
この手紙は、ママの心が元気でないと書けないし、武史が元気でないと渡せない
と、母親の本当の気持ちも隠さずに伝えていますね。
親の本当の気持ちを伝えられれば、子どもは安心します。

このお母さんは、出さないはずだった手紙を、実際に武史くんに渡すことが出来ました。

このようにして、親は子どもに元気(前向きのエネルギー)を伝えることが出来ます。

私は、「ひきこもり脱出講座」で、みなさんと関わりながら、私の元気をみなさんに伝えることが出来ます。

2017年7月5日水曜日

夫婦間で言葉が通じない

  • 夫婦が向き合えない。
  • 夫婦間でコミュニケーションが出来ない。
  • 気持ちが通じ合わない。
そのような理由で、みなさん夫婦カウンセリングにいらっしゃいます。

よく話を伺うと、どうも二人で話している言葉が違うようです。
  • 広東語と北京語
  • ドイツ語とフランス語
  • 東北弁と九州弁
ご当人たちは同じ日本語をしゃべっているつもりですが、実は言葉が違うのです。

夫婦は三つのコミュニケーション言語を使います。

1) 理屈の言葉(理性)
状況を合理的に判断して、目的を達成します。
気持ちに左右されてはいけません。客観性な事実だけを冷静に伝えます。感情が入ってはいけません。
途中経過はどうでもよく、最終的な結論が大切です。
主に会社など理屈で物事を合理的にすすめていく人間関係で活用される言語です。
どちらかというと、男性が得意とします。

2) 気持ちの言葉(感性)
自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを受け取めます。
客観的な正しさよりも、相手と自分の主観的な気持ちが大切です。
相手と気持ち(愛情)を交換し、親密感と安心を得ます。
同じ話の繰り返しが多く、結論よりも途中経過が大切です。
夫婦や親子のように、気持ちで繋がる人間関係で活用される言語です。
どちらかというと、女性が得意です。

3) 身体の言葉(スキンシップ・セックス)
愛情に満ちた身体の触れ合いは大きな安心感と幸せを得ます。
夫婦・恋人の間でしか用いません。
それ以外の人と使ったり、たとえ夫婦の間でも使い方を間違えると暴力や犯罪となり、とても傷つきます。

これら3つの言葉を上手に使いこなすことができれば問題ないのですが、実際はなかなかうまくいきません。自分の得意な言語で会話しようとします。なぜなら、その言語を使った時に、もっとも親しさや愛情を感じることが出来るからです。
逆に、自分の得意としない言語で話しかけられてもよく理解できないばかりか、怖くなり逃げてしまいます。多くの日本人が英語で話しかけられると怖くなるのと同じです。怖がる必要はないと頭ではわかっているのですが、どうしても身体が拒否してしまいます。

夫婦でコミュニケーションができない。
そのようにおっしゃるご夫婦でも、実はとても相手を求めています。

しかし、使っている言語が二人の間で異なるために、相手の言葉が理解できず、困ってしまい、怒ったり、無視したりします。そうなると相手に嫌われた、もう無理、別れるしかないと思ってしまいますが、それは大きな誤解です。決して嫌っているわけではありません。近づきたいのですがうまく近づくことが出来ないので、がっかりして諦めてしまいます。

たとえば次のような例です。
理性(第1言語)とスキンシップ(第3言語)は使えるけど、感性(第2言語)が使えない男性がいます。
自分の家族(妻と子ども)と実家(自分の両親)との関係を平等に扱います。公平さが大切で、気持ちは重視しません。
実家より自分の家族を優先してほしい妻からの求めを理解できません。感性(第2言語)を使いこなせないので、感性で語り掛けてくる妻の言葉がわからず、特に負の感情(不安や怒り)が向けられると、英語で会話しろと求められているようで、無視するか、怒りで相手を蹴散らします。なかなか結論が出てこない妻の長い話にイライラして、「結論だけ言え!」と言いたくなります。

感性(第2言語)を母国語とする女性がいます。
夫が理屈抜きに自分を一番優先して安心させてくれることを求めます。結論がなくても、ただ話し合って気持ちをわかってほしいのに、夫は受け止めてくれず、イライラします。気持ちが通じない夫にスキンシップ(第3言語)を求められても無理です。

妻は、夫と気持ちを通わせることが出来ず、親密さを感じられません。
夫は、妻からスキンシップを拒否されるので、親密さを感じられません。

それが長い間続けば、お互いの愛情を感じることが出来なくなってしまいます。
本当は愛情を持っているからこそ、相手に自分の母国語で求めるのですが、相手に通じず、お互いの愛情を見失ってしまいます。

夫婦カウンセリングで行うことはとてもシンプルです。
3つの言語を上手使えるように練習します。

第1言語(理性)の練習は、
これまでの夫婦関係の経緯を情報収集し、夫婦が理解し合えない要因を分析します。
合理的な解決策をアドバイスします。
今後、夫婦間で調整するべき課題を具体的に提示します。

第2言語(感性)の練習は、
夫婦が向き合い、自分の気持ちを言葉で伝える練習をします。
相手の気持ち(悲しみ、不安、怒り、喜び)を素直に心で受け取る練習をします。
相手の立場を尊重しつつ自分の気持ちも相手に伝え、お互いが折り合えるポイントを見出します。

第3言語(スキンシップ)の練習は一番最後になる場合が多いです。
 なぜなら、日本人は総じてこの言葉を使いこなせません。二人とも下手な場合がよくみられません。日本では、夫婦間でもセックスについて真面目に話し合う習慣がありません。若い頃は勢いに任せたセックス、結婚後は子どもを作るためのセックスはできるのですが、コミュニケーションとしてのスキンシップの使い方を学んできませんでした。
 カウンセリングでやることは、愛情のコミュニケーションとしてのスキンシップの大切さを理解します。
そして、夫婦お互いがスキンシップについてどう感じているか話し合います。
二人にとって心地よいスキンシップのあり方を話し合います。

このように説明するのはシンプルなのですが、実際はそう簡単ではありません。
学校で英語はたくさん学んできたはずですが、使いこなせません。使おうとしても怖くなって止めてしまうのと同様です。
怖がらず、練習あるのみです。
練習を積み重ねれば、必ず三つの言葉を上手に使いこなせるようになります。
そうすれば、幸せに満ちた夫婦関係が成就できます。