2013年8月3日土曜日

ひきこもりの家族関係(2)

お子さんは、お母さんととても仲の良い、何でも話し合える関係なのですね。
それ自体はとても良いことなのですが、まわりから隔絶した完結した世界を作り上げてしまっているようす。

お子さんは、これまでの居心地の良いウチの世界から、居心地の悪いソトの世界へ飛び出す年齢に差し掛かっています。
ソトの世界は思い通りには動いてくれません。たくさん傷つきます。でも、それを乗り越えてソトの世界に適応してゆきます。
その良き練習台になるのが父親です。それを活用しない手はありません。

お子さんは、母親とは何でもよく話すけど、父親とは躊躇してあまり話せないのですね。思い通りにいかない父親との関係に慣れていくことで、思い通りにいかないソトの世界にも徐々に馴染んでいくことができます。

その前提に、お母さん自身も夫との関係が思い通りにいかず苦労されているのですね。夫婦仲が悪いわけではない、とても良いご夫婦とお見受けしました。しかし、こと子どものこととなるとどうしてもうまくいかないと感じられているのですね。こちらに相談にいらっしゃるのも、ご両親一緒にと私からお勧めしても、どうしても抵抗感がおありのようです。

逆に考えると、そこがチャンスです。お母さんがその抵抗感を乗り越えて、夫と子どものことを話し合えるようになり、お母さんご自身が「思い通りに動く世界」から外に一歩踏み出せば、その勇気がお子さんにも伝わり、子どももソトの世界に踏み出す勇気を得ることができます。

お母さんの力はとても大きいですよ。
子どもをウチの世界に押しとどめる力にもなります。
その逆に、子どもをソトの世界に導き出す力にもなることができます。

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