2013年7月1日月曜日

講演会ライブ

週末は新幹線に乗り講演会に向かった。
対象はいのちの電話の相談員さんたち。
これは、私が最も楽しめる講演会だ。
若い頃は、人前に出ることが緊張し、講演を楽しむという余裕はなかった。
今でも学会では専門家からどんなツッコミが飛んでくるか緊張する。

その点、相談員さんたちは私の「ファン」でいてくれる。
ミュージシャンがファンの前で繰り広げるライブコンサートを楽しむ感覚に多分近いのだと思う。
聴衆の熱気が伝わってくるんですよね。コンサートのような熱気とはまた違い、興味を持って聞いている眼差しが伝わってくる。大きなホールで壇上に上がると観衆との距離が開いて表情まで読み取れない。せいぜい100人くらいまでの参加者と近い距離から話すと、みんなの表情がよくわかる。熱心に目を輝かせて聞いてくれる人、飽きている人、いねむりしている人などなど。
話していて、「おっ、みんなの関心を引いているな!」と感じる瞬間がある。すると、自然とアドリブで話を発展させたくなる。参加者が乗ると私も乗り、私が乗るとみんなも乗ってくる。私が楽しむと、みんなも楽しんでくれる。ユーモアにも磨きがかかる。

相手の話を聴くのが仕事の相談員さんたちは、(感性)をとても大切にする。
私はことがらを理性的に語りながらも、自分の体験などを感性を交えて語る。自分の気持ちを話しの中に織り込んでいく。それを聴衆が受け取ってくれる。そのようなやりとり、気持ちが通じている感覚がなんとも楽しい。

聴衆からのフィードバックがもらえるのも楽しい。
通常の「手を挙げて質問おねがいします!」の手法はあまり用いない。緊張感に満ちてしまう。
匿名で質問を紙に書いてもらい、それを読み上げながら答えていく場合。
今回のように参加者が語れる状況であれば、後半、グループで話し合い、その様子を全体にフィードバックしてもらう。話し合っていることが聞き取れなくても、グループの表情や雰囲気からどれほど参加者が引き込まれ熱心に話し合っているのか一目瞭然だ。そこから出てくるフィードバックは結構するどく、それに答えることで私自身の視野を広めたり考えを深めることができる。

作家や音楽家や芸術家が自分の作品やパフォーマンスを人々に届け評価されることで生き甲斐や癒し(と収入)を得るように、私が積み上げてきた語りを人々に届けることで満足を得ている。
講演会も芸術のひとつと成りうるんでしょうね、きっと。

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