2013年4月20日土曜日

男性のメンタルヘルスに女性の果たす役割


兄はやはり受診しなかったようですね。
カウンセリングなどに抵抗があるのかもしれません。でも、兄の状態は本当に良くないので、なんとか先生のところに受診するよう、もう一度話してみます。

妹さんの役割はとても大きいと思います。
Aさんは有能なサラリーマン。今までトップで頑張っていましたが、会社の業績が急激に悪化し、リストラされてしまいました。でも「うつ」になった本当の理由は違うところにあります。いわゆる家庭内別居の状態が長く続いていましたが、Aさんのリストラを機に奥さんの浮気が発覚し、離婚の危機が迫っていました。安定した収入とパートナーを同時に失い、Aさんは生きる目的を失い、強く死にたいと思うようになりました。
でもAさんは治療が必要とは思いません。今までさまざまな苦境をひとりでがんばってきたプライドがあります。専門家とはいえ、自分の弱みを語ることに強い抵抗を感じています。
でも、妹さんの強い説得で何とか私のところに通うようになりました。

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Bさんは長年連れ添った愛妻を突然の心臓発作で失いました。
茫然自失、何もできないでいるBさんを妹さんが救いました。
私のクリニックを探し出した妹さんがまず相談に見え、次いでBさんと共にやってきました。
1年ほど通い、Bさんは喪失体験を乗り越え、次の人生に向けて前向きに進むことができるようになりました。

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AさんとBさんに共通していることは何でしょう?
心を悪くした大きな要因が女性(奥さん)でした。
そして心を回復に向かわせているきっかけを女性(きょうだい)が作りました。

ふだんは別々の所帯を持ち、それほど交流がなくても、きょうだいは危機に陥ると大きなサポートとなります。高齢の親は心配してもそこまで立ち回る力も関係性もありません。
そして、なぜか男性を女性のきょうだいが救うケースが多いのです。
男性のきょうだいは、なかなかそこまで関知しないようです。

男性はメンタルヘルスがとても苦手なようです。
女性はそれをカバーしてくれます。

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