2013年4月12日金曜日

痛みのシェアリング

民間相談機関の相談員さんたちの研修を担当した。
みんながんばっている。
みんなこのブログを読んでくれていることにびっくりした。

研修では相談員さんたちの迷いがたくさん伝えられた。
  • クライエントさんにとって役に立ったか確認できない。むなしさを感じた。相談の難しさを感じた。
  • 相談した後も気になる、心の中に残りずっと引きずってしまう。心残りだ。
  • 自分のやり方がうまくなかったのじゃないだろうか。
  • もっと〇〇すればよかったと反省している。
  • どうなのかなあ、、、迷いながらやっている。
  • 支援者として自信が持てない。気持ちに余裕がなかった。
  • もっと自分の思いを伝えたい。伝えないのは事なかれ主義なのじゃないだろうか。もう少し相手の気持ちに深く入っていきたい。でも、深く入って良いのだろうか。伝えてしまって良いのだろうか。どういう言葉で伝えたらよいのかわからない。
みんな戸惑い、悩み、反省して、迷っている。
どうしてよいかわからない。自信がない、、、

相談員さんたちは、支援者としての成長してゆきます。
でも、それはそう楽なことではない。苦労します。なぜなら、無傷では成長できないから。
傷つきながら、成長していきます。

今の世の中は傷つくことへの忌避、傷つく不安が強いように思います。なるべく傷つかないように回避します。
傷つくことが怖い。
その怖さ(弱さ)をカバーアップするために一生懸命こころの砦を築きます。

母性は、傷つくことを避け、安全を守保証します。でも母性が行き過ぎると安全な場所に停滞し、変化を拒み、成長できません。
父性は、わざと傷つけ、傷ついた人を承認します。ダメージを受け、そこから回復するプロセスが変化と成長につながる。
母性と父性、この両者のバランスがとれて、人は安全に成長することが出来ます。

それは、子どもの成長も相談員さんの成長も同じこと。
思春期は傷つく年齢です。子どもから大人へ成長します。
カウンセリング・精神療法も同じ考え方です。傷つき、あるいは傷つくことを恐れ停滞しているクライエントに、安全に傷つける環境と信頼関係を提供し、変化・成長していきます。
支援者の研修やスーパーヴィジョンも同様です。支援者として傷ついた自分を素通りせず見つめなおし、そこから何が得られるのかを見出していきます。

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