2013年2月19日火曜日

インターネットと家族


インターネットは簡便に、昼夜を問わず即時に、匿名のままメッセージを受けるだけでなく送ることもできる(双方向性)という従来にない強力なメディアである。商業や政治・経済活動、災害対策、さらには「アラブの春」など社会生活を根底から変えたように、家族生活も大きく変えた。

インターネットは家族の境界線を乗り越える。自分を守る術を持たない未成年者が直接外部と繋がり、プライバシーの漏えいや、犯罪・性・いじめなど有害情報の危険にさらされる。大人にとってもネットが有効な出会いとなる一方で、浮気として夫婦関係を揺るがすこともある。インターネット依存症は現実への適応を阻害する。自宅にひきこもり、昼夜オンラインゲームにはまる若者の増加が社会問題となっている。

弊害ばかりでなく良い変化もある。第一に現実では繋がりにくい弱者(マイノリティー)のコミュニティーである(例、セクシャル・マイノリティー、子育て中の女性、高齢者、障害や難病を抱えた人々とその家族、メンタルヘルス、自殺予防、自死家族など)。第二に、留学や遠隔地勤務など地理的に離れた家族が繋がる。第三に電話やインターネットを補助的に利用した家族合同面接である。

これからの親子や夫婦はインターネットに淘汰されない確実なコミュニケーションが求められる。子どもに対しては学校でのメディア教育とともに、家庭での使い方のルール作りが大切だ。

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