2012年8月4日土曜日

想定外の人生:パニックとその立て直し

土曜日の仕事を終え、週末は草津の家へ向かった。あと30分で着くころに、家のカギを忘れたことにハタと気づいた。さあ、困った。どうしよう??
軽いパニック状態。運転しながら選択肢を必死に考える。
・東京に引き返したらせっかくの週末が台無しになる。
・ベランダからカギのかかりが甘い雨戸はなかったかな。思い返しても、サッシのガラスを割らないかぎり無理だろう。
・明日の朝には管理人さんが来るから、それまで車内で夜を過ごす。私ひとりならそれでも良いけど、子どもたちもいるし、、、
・草津の旅館に泊まるしかないか。定宿に電話しても出ない。夜9時過ぎだもんな。温泉街入り口の旅館案内所も閉まっている。湯畑の駐車場のおじさんに尋ねても、「この時間じゃあ無理でしょう。」あとは直接旅館に交渉するしかないか。小さなところは無理だろうから、湯畑の前の大きなホテルに直接乗り付けた。「1泊朝食付きで◯◯円です。」値段を交渉する余地はない。思わぬ出費、カギを忘れただけのための無駄遣いだ。
仕方がない、ここに投宿することにした。

道中、カーラジオでオリンピック男子サッカーの準々決勝を聴いていた。エジプトの選手がレッドカードをくらい退場。11人から10人に減りフォーメーションが崩れ、想定外の事態に選手たちは動揺する。監督の支援で、しばらくしたら立て直した。結局は3-0で日本が勝たせてもらったが。

誰しも、想定外の人生を経験する。誰が経験するかも想定外。こうなるはずではなかったという人生はたくさんある。
・妻を突然病気で亡くした男性。
・十代の生命力に満ちているはずの子どもを突然、病気で亡くした父親。
・結婚は失敗だった、子どもを産んだのは失敗だったと振り返る女性。
・非精神病性の「ひきこもり」と思っていたら、どうも統合失調症のようだ。私は思春期に医学モデルはあまり使わないが、使わざるを得ない場合もある。子どもの障害受容は親にとってとても重たい。母親ひとりでは辛すぎる。ご両親に来てもらい、丁寧に、でも率直に今後の見通しをお伝えする。

案内された部屋は建て増しを重ねた大型旅館の一番奥の部屋。この値段でこの部屋?こんなはずではなかった。
、、、仕方がない、気を取り直して手ぬぐいをぶら下げて大浴場へ行く。もともと家に着いた後、湯畑の白旗の湯には来るつもりだったけどね。立派な温泉に入れるし、明日のブッフェ朝食も美味しく食えるかな。週末の過ごし方を立て直さないと。なんとか楽しむ方策を見出すしかない。

人生のパニックは、立て直せるものなの?
・家族を突然失った男性たちは、涙をたくさん流した。
・失敗したはずの結婚相手も妻の求めに応じてなぜか毎回カウンセリングにやってくる。「いや、私はダメですから。弱いですから。」ホントにそう思ってるの?いや、確かに過去はかなりダメでしたね。でも今は?なぜカウンセリングに来るの?素晴らしいじゃない!!
・子どもの障害をどう受け入れ、どう向き合うのかご夫婦と話し合う。なぜか父親はoptimisticで母親はpessimisticだ。夫婦間で、ひとつの現実に対してずいぶんと見方がが違うのね。でも、それで良いですよね。人生、そう楽天的ばかりにも、悲観的ばかりにもならなくてもよい。両者が適度にミックスするのが一番良いですね。

、、、とこうやってブログ記事を書けたから、まあ想定外の今宵も無駄ではなかったよね。こじつけるしかない。

0 件のコメント:

コメントを投稿