2012年2月8日水曜日

安心感を醸成する

 信頼関係と安心できる雰囲気はカウンセリングの基本ですが、このことに無頓着な支援者も少なくありません。たとえば服薬や生活習慣をきっちり守ってもらうためには厳しく伝えることも必要ですが、クライエントの気持ちは最も優先されなくてはなりません。
精神科や心理カウンセリングを訪ねることは気持ちの敷居がとても高いものです。しかも問題を抱えて傷ついているので、支援者の言葉に敏感に反応します。
私はクライエントが安心して語れる雰囲気づくりに細心の注意を払っています。しっかり相手の言葉に耳を傾け不安な心情を共感し、今すぐにどうにかしたいという焦りの気持ちを受け止め、変化を早急に求めません。また今まで親として関わってきた苦労をねぎらいます。
ひきこもりの親は家族関係の不安を抱えています。親子関係や夫婦関係など本来は安心して話せる相手とコミュニケーションがうまくいかず、親密な関係を築くことに自信を失っています。支援関係の場で人との関わることの安心感を再発見することができたら、その感覚を家庭に持ち帰り親子関係に応用します。その感覚がひきこもっている本人にも伝われば本人と直接関わらなくても間接的に安心感を醸成し、人と関わる勇気を獲得できます。

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