2012年2月8日水曜日

家族の孤立から連携へ

 ひきこもりの家族は、3つの意味で孤立しています。
ひとつ目はひきこもり本人が社会から孤立していること、
二つ目は家族の恥として家族外の人に隠していることです。

三つ目はストレスを抱えた家族メンバーがお互いに交流できず孤立していることです。問題が深刻化すると余裕がなくなり、お互いの異なる見方を受け入れられなくなります。たとえば子どもと近い距離にいる母親は、遠い距離にいる父親の無関心さや無理解を批判し、逆に父親は母親の過保護ぶりを批判します。その根底には拡大家族を含めた夫婦間の長期にわたる葛藤があり、夫婦お互いに分かり合えることが難しかったりします。

 両親の一致団結が大切であると頭では理解しても、なかなか実行できません。たとえば熱心に関わる母親は孤軍奮闘し、両親そろって相談に来ることを勧めても夫の非協力を訴えます。夫の多忙さは表面的な口実で、実は夫が来るとお互いの違いが見えてしまうので、本音では来て欲しくなかったりします。その場合、まず子どものことばかりでなく、母親の夫に対する気持ちも丁寧に受け止めます。その上で、両親が関わることの重要性を再度説明して、夫が相談の輪に加わることを勧めます。そうすれば夫も都合を付けて一度は支援の場に現れます。しかし、本音を語れば夫婦間のトラブルとなるので、なかなか継続して相談に通い続けられません。両者の異なる考え方を双方ともよく受け止め、どちらが正しいというわけではなく、両親の対応が異なっても構わないのであり、その違いを夫婦間で認め合うことが重要です。

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