2010年8月9日月曜日

開業コンサルタント

いわゆる「医院開業コンサルタント」を使うのはやめた。

二年ほど前、いったいどうやって開業してよいかさっぱり見当がつかなかったので、妻とリクルート関連会社が主催する開業フェア的に行ってみた。たくさんのブースが並び、大手企業が、パッケージとしてコンサルテーションを売っている。名刺を渡し、いくつかの会社とやりとりしてみたけど、どうもしっくりこない。

私の家を建てたときと同じだ。
大手ハウスメーカーが立ち並ぶ住宅展示場に行き、何人かの営業マンとやりとりしたが、結局しっくりこなかった。彼らは多くの情報と経験を持ち、効率は良いのだが、要するにパッケージとなるパターンが既成に用意され、それを当てはめていく感じ。うちの敷地は非定型的で、内装や間取りに特にこだわったわけではなかったが、お仕着せの一般的なパターンにはどうも抵抗があった。ハウスメーカーは諦め、ネットで個人開業の設計士さんをいくつかあたって、相性が合いそうな人にお願いした。設計料を余分に払ったが、家主のニーズをよく伝え、設計図を引いてもらい、オリジナルな満足できる家に仕上がった。そうなるまで約1年間何度も綿密に打ち合わせたのが良かったのだと思う。

私の開業も通常のパターンとはかなり異なる。
地域の人たちが保険証を使って求める医療ではなく、著書やウェブから情報を得て、完全予約制の自由診療。ほかの医療機関との競合を考える必要がなく、立地条件も通常パターンとはかなり異なる。医療スタッフや医療機器もほとんど使わず、必要なのは椅子と机と受付事務のみ。
最近開業した友人の外科医は医療コンサルタントをうまく使って順調に滑り出しているようだが、私の場合はall in oneとしての開業コンサルタントはうまく当てはまらない。

代わりに、個別のコンサルテーションを頼むことにした。
税理士(資金計画)
オフィスのコンサルタント(物件探しに内装・家具)
ウェブデザイナーとイラストレーター(ウェブサイト作成)
出版社の編集者(著書の出版)
それぞれの人たちと、綿密な打ち合わせが必要になる。
今のところまだ差し迫っていないからのんびり言っていられるのかもしれないが、そのプロセスもなかなか楽しい。

私の開業を知った知人・友人は、まず「どこで開業するの?」と尋ねるが、物件探しはまだもう少し先。むしろ今から手掛けたいのは本の執筆。アイデアは頭の中にあるのだが、なかなかそれを掻き出し、書きだすことがやっかいだ。この夏休み、がんばるしかないかな。