2017年7月21日金曜日

親密な関係と心の安全基地

親密な関係性は、人が生きる上で最も大切な宝です。

愛着(attachment)とは、親密な人との安心・安全な結びつき感覚です。
これは幼い子どもと親との安全な結びつきから始まり、一生を通して心の安定に必要不可欠です。
愛着がイギリスで概念化された当初は、幼い子どもと親の間に形成されて、それがきちんと整備されれば、大人になっても大丈夫と考えられていました。つまり、「三つ子の魂100まで」、小さい頃にしっかり安定感を築けば、それが心の中に根付いて、一生それでやっていけるという考え方です。
しかし、その後の研究で、子ども時代だけでなく、一生を通じて、安心できる対象関係が必要なことがわかりました。
つまり、子ども時代にホッカイロを手に入れれば一生使えるというものではなく、一生を通して暖かい暖炉を身近にキープします。

愛着関係は心の安全基地です。
愛着関係が十分に成就すると、心が暖色系に染まり、暖かくなります。人との関わりをプラスに受け止め、人間関係がうまくいき、人生が暖かくなります。
愛着関係が不十分だと心が寒色系に染まり、冷たくなります。人との関わりをマイナスに受け止め、人間関係が冷たくなります。

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具体的にお話ししましょう。

自立しようとしている思春期の子どもを考えてみましょう。
思春期になると、自らの力で仲間関係を作っていくために、周りの人の空気を読み始めます。どんな空気か誰も教えてくれません。自分で感じ取ることが求められます。
まわりの仲間や友人が自分に話しかけアプローチしてききたら、それが何を意味するのかを読まねばなりません。相手はそこまで教えてくれません。自分で解釈します。

暖色系の心は周りからのメッセージをプラスに受け止め、その人は自分をプラスに思っているのだろう、自分はその人から認められているんだと好意的に受け止めます。

寒色系の心は、周りからのメッセージをマイナスに受け止めてしまいます。
もしかしたら、相手の人は私のことを嫌っているのでは、ダメな人と内心思っているのではないだろうか。自分は周りの人から認められていないと思います。
疎外感から一人ぼっちになり、自分の居場所ではない、自分がそこに入っていくのが辛くなり、その場から撤退を余儀なくされ、居場所を失い、ひきこもります。

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職場の人間関係を考えてみましょう。
暖色系の心は、職場の人たちのまなざしをプラスに受け止め、自分は認められていると感じます。まわりから支えられていると感じます。忙しい仕事や難しい人間関係でも、なんとか乗り切ることが出来ます。

寒色系の心は、職場の仲間たちからのメッセージをマイナスに読み取ります。自分は嫌われている、自分は認められていないと感じるので、同僚たちのことが嫌いになり、自分はダメな人間だ、この職場は向いていない、自分だけ阻害されているという風に感じます。

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思春期の子どもを持つ親の心を考えてみましょう。
親は子どもが幼い時は守る愛をたっぷり与えます。
思春期になると、放す愛を与え、自立を促します。

親の心が暖色系だと、子どもの周りの友達や先生からのメッセージをプラスに受け止めます。多少のいじめとか傷つき体験もあるかもしれないけど、うちの子どもはそれを乗り越えられる力を持っていると安心するので、親子の心の絆を緩め、子どもが親から離れて自立していく姿を安心して見守ります。

親の心が寒色系だと、周りの人たちからのメッセージをマイナスに受け止め、先回りして心配して、子どもを危険から守ろうとします。子どもに自立する力が備わっていても、それを見過ごしてしまい、子どもはいつまでも幼いと感じてしまいます。
まだ巣立つのは早い、家にいなさい。親があなたを守るから!
本当は子どもに自立してほしい、成長してほしいと願いつつも、心の不安感から先回りして心配して、子どもを手放すことができず、親の不安で子どもを縛り付けてしまいます。

子どもにそれを跳ね返す力があれば、親に反抗して、親の絆を断ち切ります。
子どもの跳ね返す力が弱ければ、親の不安をそのまま受け取り、自分は自立するにはまだ早いから、まだ子どものままでいるしかないと思い込みます。

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夫婦関係を考えてみましょう。
暖色系の心は、安心感に満ちています。相手が遠ざかっても心配しません。相手が自分に近づいてくると、暖色系のフィルターを通すと愛情というプラスの気持ちなります。お互いにプラスの気持ちで惹かれ合い、安全で愛情に満ちた関係を築くことが出来ます。

寒色系の心はとても孤独で、相手からの温もりを渇望しています。
しかし、相手のメッセージをどうしてもマイナスに受け止めてしまいます。自分のメッセージも相手にマイナスに受け止められてしまうことが怖くなり、言いたいことをなかなか言えません。
相手が近づいてくると怖くなり、不安を抱きます。逆に、相手が遠ざかるそぶりを感じると、自分は見捨てられた不安を抱きます。
夫婦がお互いに近づくことも遠ざかることもできず、相手の心もだんだんと冷えてゆきます。お互いのメッセージをマイナスに受け取り合うので、夫婦関係が冷たくなります
。一緒にいることが苦痛になります。

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心が寒色系に染まり、冷たくなると、とても生きづらくなります。
  • 人をどう愛したらよいのかわからなくなります。
  • 人が近づいてくることを恐れます。
  • どうやって人に近づいたらいいのかわからなくなります。
  • 人との関係がとても苦しいので、人との交流を閉ざします。
  • あるいは、その逆に、必死に相手を求めるあまり、不適切に人を求めすぎてしまいます。人に怒りをぶつけたり、反抗的になったり、暴力を振るうこともあります。
  • 自尊心を持てなくなり、自分はダメな人間だと自分を責めます。
  • 生きていることがとても辛く、困難になります。
  • 心が冷えるとうつ病、不安障害、境界性パーソナリティ障害などの心の病気にかかりやすくなります。
  • 身体も冷えて、身体の不調をきたします。心身症や疲れやすさ、自律神経系の症状が出現します。
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以上みてきたように、心の暖かさは、幸せな人生に必須のアイテムです。

では、どうやったら心の暖かさを取り戻すことが出来るのでしょうか。
どうやったら、心の安全を確保できるのでしょうか。

自分ひとりで、暖かさを発生することは、できないことはないのですが、なかなか難しいです。心に昔あった暖かさの残り火があれば、そこに風と酸素を吹き込んで、暖かさを取り戻すことが出来ます。しかし、火を起こす技術はキャンプでもなかなか難しく、経験と慣れが必要です。

ベストな方法は、身近で大切な人と触れ合い、暖かさを共有することです。
家族が一番です。親子や夫婦・パートナー、きょうだいや親族など。
あるいは、友人や仲間、教師や同僚など、家族以外の親しい人でも構いません。十分に近く、信頼し合える関係であれば。
遠いと暖かみが伝わらないので、十分に近づき、ゆっくりと伝えていきます。

  • 愛着は愛情を通して伝わります。
  • その人を尊重し、信頼し、全面的に認める深い愛情です。
  • 愛情深いスキンシップやコミュニケーションを与えます。
  • 安全な感覚を呼び戻し、安全を保障します。
  • 肯定的なまなざしを与え続けます。
  • 安全にお互いの心を語れる環境を整えます。

しかし、これもなかなか難しい時があります。
伝え合う人の心が十分に暖かくないと、相手に伝えることが出来ません。
暖かさが強いか、冷たさが強いか。
相手に近づき暖かさを伝えようとしても、相手の冷たさに負けてしまうと、暖かった人も冷たくなってしまうこともあります。

家族全体が持っている熱(安全な愛着経験)の総量によります。
それが不十分だと、家族同士で分け与えようとしても、家族全体が冷え込んでしまいます。

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セラピストは、心のエネルギーのガソリン・スタンドです。
セラピストの心の暖かさを伝え、クライエントの心を温めます。
そのためには、セラピスト自身が十分な心の暖かさを持っていなければなりません。

セラピストのためのガソリン・スタンドもあります。
それが、スーパーヴィジョンです。
クライエントに分け与えて冷えてしまったセラピストの心に、上級セラピスト(スーパーヴァイザー)が暖かみのガソリンを補給します。

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家族療法家は、家族全体のためのガソリン・スタンドです。
冷たくなった当事者が給油に来れれば良いのですが、事情があって来れない時、家族の誰かに来てもらいます。
来れる人にガソリンを与え、家族同士でシェアしてもらいます。
ガソリンを持ち帰っても、上手な伝え方がわからないと、うまく注げずこぼれてしまいます。
家族療法家は、家族同士で暖かみを分け与える方法を伝授します。
そして、家族全体が暖かくなるように見守ります。

2017年7月11日火曜日

親の元気を子どもに伝える(ひきこもり脱出講座より)

「ひきこもり脱出講座」での様子をご紹介します。

・子どもにどう関わったらよいかわからない。
・子どもに何を伝えたらよいかわからない。

そのような親の気持ちを受け、講座では、子どもにどう関わったらよいかをお伝えしています。伝えたいことはあるけど、
・伝えて良いのだろうか?
・伝えると、かえってマイナスになって悪くなってしまうのではないだろうか?
そんな気持ちから、素直に伝えられません。
・子どもに問題が生じてしまった。もしかしたら、親の私がいけなかったのかしら?
・今までの親の関わり方が良くなかったのがひきこもりの原因なのかしら?
今まで、必死に親をやってきただけに、子どもがうまく行かないと、親も自信を失ってしまいます。
すると親の心がフリーズして(凍って)しまいます。
子どもに伝えるべきことを何も伝えられず、まるで腫れ物を触れるように接して、何も言えなくなってしまいます。

しかし、これではいけません。
進むべき道と自信を失った子どもに対して、親は自信とガイドラインを与えます。
そのためには、まず親としての自信をしっかり確保しなくてはなりません。
講座では、そのフリーズを解除して、親の自信を回復する道筋を作っていきます。

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脱出講座に参加した皆さんに、子どもに「出さない手紙」を書いてみましょうとお勧めします。何を子どもに伝えたいのかを点検し、イメージトレーニングをします。
「実際には出さないけど、本当に出すつもりで、子どもに親の本当の気持ちを伝えてみて下さい。」

そのようにして書かれてお手紙をご紹介します。

前回、武史(仮名)に手紙を書いたのはいつだったっけ。
「武史を手放すよ。あなたは社会に戻りなさい。戻れる力があるから。」
そういう内容だったと思います。
ああいう手紙は、ママの心が元気でないと書けないし、武史が元気でないと渡せないと思っています。

あれから少し時間が経ちましたが、武史は今なにを考えていますか?
今回は、武史にこんな風になって欲しいなと思っている、ママの気持ちを書きます。
人間はね、三つの資源で育つんだよ。
最初は、家族。
次は、学校と友だち。
その次は、社会生活と他者。
どの資源でも、成功と失敗を繰り返して、その体験が人を育てる。たとえ与えられた資源がイマイチでも、人間はその中で生きていかなければならないと思う。

武史が自分をどう思っているかわからないけど、武史は社会経験が不足しているので、社会によって育てられていないと、ママは思っている。パパやママの話から知識として理解しているかもしれないけれど、武史の実体験ではないもの。
だから、武史には実体験をいっぱいして欲しいの。社会に出ていって欲しい
失敗したら、まだ戻ってくればよいし、そして、また出ていけば良いんだよ。

武史はとても慎重で、何かする前にたくさん調べてから行動する人だと思っています。そこが武史の良いところだと思う。でも慎重すぎて、なかなか動けないのかなと思う時がある。武史が抱えている生きづらさもママは理解しているつもり。音や光に敏感で、人とのコミュニケーションが苦手と思っている。そして静かな生活を望んでるかな。

それでも、家に隠れないで欲しいし、具体的にどうしたら社会に出て行けるか、どういう形が武史にとって望ましいかを考えて欲しい

これがママの今の気持ち。ママは緊張していて、失敗したらどうしようと不安な気持ちで武史に話しかけると、まわりくどくてストレートに話すことが出来ないです。
だから手紙を書いてます。

武史が自分で決めて、自分の道を進んでいくときに、「じゃあ協力して」ということがあれば、たくさん協力するからね。「相談したい」というのであれば相談に乗るよ。対話がとても大事だから。

まわりくどいママからでした。
また、書きますね。

とても素晴らしいお手紙です。
なにが素晴らしいのか、具体的にご説明しましょう。

親の導き(ガイドライン)を示しています。

実体験をして欲しい。社会に出ていって欲しい。
と、決してお説教ではなく、わかりやすく丁寧に伝えています。
「親は子どもに何も期待してはいけない。」
と信じていらっしゃる方が多いのですが、これだけではいけません。
よく、「親は子どもに何も期待せず、あるがままの姿を認め、生きているだけで良いよ
と伝えてあげましょう」と言われます。
これはとても大事です。
そのままの姿を承認するのは守る愛です。
親がしっかりこのような愛情を伝えると、自分は守られているという安全の感覚を抱くことができます。そして安心して他者を信頼して、自分はこの世に存在するに値するんだという根本的な信頼を抱くことが出来ます。
子どもは、とても安定します。

〇放す愛を伝えています。
しかし、守る愛だけでは前に進めません。
「変わらなくてよい。生きているだけで良い。」というメッセージでは、ひきこもりから脱出して前に進むことが出来ません。安心してずっとひきこもっています。
守る愛と同時に、放す愛
つまり「今のままではいけない。変わりなさい。そして君は前に進む力を持っている。」と伝えます。
武史君のお母さんも「社会に戻れる力がある」と、しっかり放す愛を伝えています。
・実体験をして欲しい。
・社会に出て欲しい。
と明確に進むべき方向を示しています。
それは決して高すぎるハードルではありません。
子どもは、親に示されたハードル(期待)を飛び越えることで親の承認を得て、前に進む自信を獲得します。

〇子どもを信頼しています。
具体的にどうしたら社会に出て行けるか、どういう形が武史にとって望ましいかを考えて欲しい
と、その進み方、どのような道を選択するかは本人に任せています。
しかし、前に進まないという選択肢はないことも、はっきり伝えています。

〇親の本音をちゃんと伝えています。
この手紙は、ママの心が元気でないと書けないし、武史が元気でないと渡せない
と、母親の本当の気持ちも隠さずに伝えていますね。
親の本当の気持ちを伝えられれば、子どもは安心します。

このお母さんは、出さないはずだった手紙を、実際に武史くんに渡すことが出来ました。

このようにして、親は子どもに元気(前向きのエネルギー)を伝えることが出来ます。

私は、「ひきこもり脱出講座」で、みなさんと関わりながら、私の元気をみなさんに伝えることが出来ます。

2017年7月5日水曜日

夫婦間で言葉が通じない

  • 夫婦が向き合えない。
  • 夫婦間でコミュニケーションが出来ない。
  • 気持ちが通じ合わない。
そのような理由で、みなさん夫婦カウンセリングにいらっしゃいます。

よく話を伺うと、どうも二人で話している言葉が違うようです。
  • 広東語と北京語
  • ドイツ語とフランス語
  • 東北弁と九州弁
ご当人たちは同じ日本語をしゃべっているつもりですが、実は言葉が違うのです。

夫婦は三つのコミュニケーション言語を使います。

1) 理屈の言葉(理性)
状況を合理的に判断して、目的を達成します。
気持ちに左右されてはいけません。客観性な事実だけを冷静に伝えます。感情が入ってはいけません。
途中経過はどうでもよく、最終的な結論が大切です。
主に会社など理屈で物事を合理的にすすめていく人間関係で活用される言語です。
どちらかというと、男性が得意とします。

2) 気持ちの言葉(感性)
自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを受け取めます。
客観的な正しさよりも、相手と自分の主観的な気持ちが大切です。
相手と気持ち(愛情)を交換し、親密感と安心を得ます。
同じ話の繰り返しが多く、結論よりも途中経過が大切です。
夫婦や親子のように、気持ちで繋がる人間関係で活用される言語です。
どちらかというと、女性が得意です。

3) 身体の言葉(スキンシップ・セックス)
愛情に満ちた身体の触れ合いは大きな安心感と幸せを得ます。
夫婦・恋人の間でしか用いません。
それ以外の人と使ったり、たとえ夫婦の間でも使い方を間違えると暴力や犯罪となり、とても傷つきます。

これら3つの言葉を上手に使いこなすことができれば問題ないのですが、実際はなかなかうまくいきません。自分の得意な言語で会話しようとします。なぜなら、その言語を使った時に、もっとも親しさや愛情を感じることが出来るからです。
逆に、自分の得意としない言語で話しかけられてもよく理解できないばかりか、怖くなり逃げてしまいます。多くの日本人が英語で話しかけられると怖くなるのと同じです。怖がる必要はないと頭ではわかっているのですが、どうしても身体が拒否してしまいます。

夫婦でコミュニケーションができない。
そのようにおっしゃるご夫婦でも、実はとても相手を求めています。

しかし、使っている言語が二人の間で異なるために、相手の言葉が理解できず、困ってしまい、怒ったり、無視したりします。そうなると相手に嫌われた、もう無理、別れるしかないと思ってしまいますが、それは大きな誤解です。決して嫌っているわけではありません。近づきたいのですがうまく近づくことが出来ないので、がっかりして諦めてしまいます。

たとえば次のような例です。
理性(第1言語)とスキンシップ(第3言語)は使えるけど、感性(第2言語)が使えない男性がいます。
自分の家族(妻と子ども)と実家(自分の両親)との関係を平等に扱います。公平さが大切で、気持ちは重視しません。
実家より自分の家族を優先してほしい妻からの求めを理解できません。感性(第2言語)を使いこなせないので、感性で語り掛けてくる妻の言葉がわからず、特に負の感情(不安や怒り)が向けられると、英語で会話しろと求められているようで、無視するか、怒りで相手を蹴散らします。なかなか結論が出てこない妻の長い話にイライラして、「結論だけ言え!」と言いたくなります。

感性(第2言語)を母国語とする女性がいます。
夫が理屈抜きに自分を一番優先して安心させてくれることを求めます。結論がなくても、ただ話し合って気持ちをわかってほしいのに、夫は受け止めてくれず、イライラします。気持ちが通じない夫にスキンシップ(第3言語)を求められても無理です。

妻は、夫と気持ちを通わせることが出来ず、親密さを感じられません。
夫は、妻からスキンシップを拒否されるので、親密さを感じられません。

それが長い間続けば、お互いの愛情を感じることが出来なくなってしまいます。
本当は愛情を持っているからこそ、相手に自分の母国語で求めるのですが、相手に通じず、お互いの愛情を見失ってしまいます。

夫婦カウンセリングで行うことはとてもシンプルです。
3つの言語を上手使えるように練習します。

第1言語(理性)の練習は、
これまでの夫婦関係の経緯を情報収集し、夫婦が理解し合えない要因を分析します。
合理的な解決策をアドバイスします。
今後、夫婦間で調整するべき課題を具体的に提示します。

第2言語(感性)の練習は、
夫婦が向き合い、自分の気持ちを言葉で伝える練習をします。
相手の気持ち(悲しみ、不安、怒り、喜び)を素直に心で受け取る練習をします。
相手の立場を尊重しつつ自分の気持ちも相手に伝え、お互いが折り合えるポイントを見出します。

第3言語(スキンシップ)の練習は一番最後になる場合が多いです。
 なぜなら、日本人は総じてこの言葉を使いこなせません。二人とも下手な場合がよくみられません。日本では、夫婦間でもセックスについて真面目に話し合う習慣がありません。若い頃は勢いに任せたセックス、結婚後は子どもを作るためのセックスはできるのですが、コミュニケーションとしてのスキンシップの使い方を学んできませんでした。
 カウンセリングでやることは、愛情のコミュニケーションとしてのスキンシップの大切さを理解します。
そして、夫婦お互いがスキンシップについてどう感じているか話し合います。
二人にとって心地よいスキンシップのあり方を話し合います。

このように説明するのはシンプルなのですが、実際はそう簡単ではありません。
学校で英語はたくさん学んできたはずですが、使いこなせません。使おうとしても怖くなって止めてしまうのと同様です。
怖がらず、練習あるのみです。
練習を積み重ねれば、必ず三つの言葉を上手に使いこなせるようになります。
そうすれば、幸せに満ちた夫婦関係が成就できます。

2017年6月22日木曜日

男性のメンタルヘルス

父親の力でひきこもりを解決する

父親力が子どもの自立のカギを握る。
母親中心の子育てからの脱却。
父親を家族に呼び戻し、父親役割をフルに発揮する。

家族にどう関わってよいのかわからない
という男性が増えています。
子どもにどう言えばよいのかわからない。
妻とどう向き合えばよいのかわからない。

男性は家族の中に入れない
家族に男性の居場所がなくなった。家族という親密な関係性から疎外されている。
従来の性役割分業(女性=ウチ、男性­=ソト)の遺産

子どもに向き合えない
男性は家族と関わる自信がない。
子どもから拒否される(万能的自我に留まる子どもの特徴)
妻からダメ出しを食らう。(そのやり方は違う)
家族からの抵抗を乗り越えて前に進む勇気がない。どうしてよいかわからない。
自分の父親も不在だった。子ども時代、父親の背中を見て育ってきた。子どもに関わる父親のモデルがない。自分の父親は子ども(自分)に関わらなかった。自分が父親になり、どう子どもに関わって良いのかわからない。
親としての自信喪失→父親・夫役割からの撤退

夫婦が向き合えない
夫婦のコミュニケーション不足
l  夫婦が心から向き合い、お互いの気持ちを伝え合う
l  考えが違っていても、相手を否定せずに話を聞く。
l  相手の立場を尊重しつつ自分の立場を主張し、お互いが折り合えるポイントを見出す。
このようなコミュニケーションに慣れていない。

男性の失感情症 (アレキシサイミア; alexithymia)
感情を扱えない。
自分の感情がわからない(感じることができない)。表現できない。
相手の感情がわからない(受け取ることができない)。共感できない。
感情の読み書き能力(感情リテラシー)
ふたつの異なる言語があります。

1)理性言語
状況を理性的に判断して、やるべきことの計画を立てて遂行する。
気持ちに左右されてはいけない。公正に判断して、自分の感情は押し込めて遂行する。
目的を達成する。
社会の公的な関係性(会社など)で用いられる。

2)感性言語
相手の気持ちに共感し、自分の気持ちを相手に伝える。
相手を感じる、受け止める、支える、見守る。
人をケアする・養育する。弱者を助ける。他者に愛情を注ぎ、優しさで包み込む。
理性よりも感性(自分と相手の気持ち)を優先する。理屈が通らない。進歩のない繰り返し。
家族関係で用いられる。

失感情症の症状

l  うつ病
気持ちに鎧を着せる。マイナスの気持ちを麻痺させる。
すべての気持ちを麻痺させる→「うつ病」

l  怒りの爆発
マイナスの気持ち(不安、恐怖、悲しみ)→攻撃性に変換される。
攻撃性の向かう先
腕力の攻撃性→親しい人への暴力(妻へのDV、子どもへの虐待)
性的な攻撃性→性的逸脱(ポルノ、買春、セクハラ、風俗通い、浮気)
自分自身に向かう攻撃性→自傷行為、自殺、依存症

l  ソトとウチの顔の分裂
社会人として立派に役割を果たし、家族を養い、経済を支え、家族に対する役割も果たしてきました。まわりから尊敬される社会人。しかし、いざ家族の問題に直面すると、どう関わって良いのかわらない。家ではだらしない姿;わがままに振る舞う、怒りをぶつける、暴力をふるう。家族から見放される。

女性恐怖症
妻が怖い。妻の言葉に傷つく。
男性からの腕力の暴力 vs. 女性からの言葉の暴力
母親が怖い。
母親からの精神的な自立が果たせていない
恐怖→コミュニケーションの断絶(会話をしない、家族から撤退する)。暴力(相手からの攻撃におびえ、自分から攻撃する)

男性の感性を磨く
感情の読み書き能力(感情的リテラシー)を学ぶ
(外国語やITリテラシーを学ぶように)
感情の学び始めは怖い。
男性は女性の怒りや拒否に耐えられない。
e.g.英語恐怖症、ITへの抵抗感)
→練習と経験あるのみ。(感情のコミュニケーション練習)

1)自分の感情を学ぶ。
自分の気持ちの動きに敏感になる。
肯定的な気持ち:喜び
否定的な気持ち:悲しみ、恐れ、不安、怒り
自分の感情を言葉に表す。
心の鎧を開き、弱さをさらけ出す
男性の怒りの表出、男性の涙を見せる。

2)相手の感情を学ぶ。
相手と向き合う。
Ø  自分の子ども
Ø  妻(パートナー)
Ø  母親・父親、きょうだい(原家族)
家族に対する気持ち(悲しみ、怖れ、怒り、喜び)=それは自分自身の気持ち。自分の気持ちに向き合うことになる。

夫婦関係の改善

夫婦間のシコリを解きほぐす

家族メンバーの間には、未だに解決されていない過去のシコリが残っているものです。お互いに距離を開けて関わらないようにしていれば、シコリを残しておいても仕方がないでしょう。しかし、家族の力をフルに発揮するには、お互いの距離を近づけます。その時は、過去のシコリを棚卸しして整理します。たとえば、次のようなシコリです。

夫婦間の暴力

夫婦間の暴力には、「手を挙げる」、殴る蹴るといった身体的な暴力が思いつきますが、それ以外にも様々な種類があります。

l  身体的暴力
一番代表的な暴力です。普段は仲が良くてもアルコールが入ったり、喧嘩になった時などに暴力が出現します。たとえその頻度(年に1回とか)や程度(骨折や外傷といった大きなレベルから、傷はつかない小さなレベルまで)に関わらず、暴力の存在は夫婦間に大きな溝を与え、被害者に大きな傷を与えます。

l  性的暴力
性的な関係が許される夫婦であっても、双方の同意のない無理なセックスは暴力となります。避妊が必要なのに、それを怠る場合も該当します。

l  言葉の暴力
相手が傷つく言葉を一方的に投げかけます。たとえ本人が意図せず何気なく発した一言であっても、それを受け取る側にはシコリとして長く残ることもあります。

l  経済的な暴力
生活に必要なお金を渡さないなど。

l  行動を束縛する暴力
普段の監視したり、行動を制限することにより、相手を束縛します。

足を踏んだ方は忘れても、踏まれた痛みは記憶に長く残ります。
浮気、暴力(DV)、アルコール、ギャンブルなどは男性が加害者で女性が被害者というパターンが今までは一般的でしたが、最近では逆のパターン、つまり女性が加害者で男性が被害者になるケースも少ないながらあります。
これらは身体の傷や生活上の不便以外に、心に大きな傷を残します。
特に深刻なのが自尊心の低下です。自分がやっていること、たとえば子育て、子どもへの関わり方、人との関わり方などについて、これでいいのだろうかと自信を持てず、自分はダメな人間だと悲観的になり、自分を責めるようになります。

これ以外にも、夫婦間には長い間に気づかないうちに傷ついて、それがトラウマとして後までのこることがあります。

子育てに関わってこなかったというトラウマ
母親が家事育児を担当して、父親が外で稼ぐという役割分担が人々の意識の中に根強く残っているために、父親が子育てに関わらないことがそれほど問題だとは意識されにくいものです。しかし、子育てに苦労している時に、一緒に関わってくれなかったというトラウマ(心の傷)は深く心に残ります。子どもが大きくなり思春期に達して父親の関わりが大切と言われても、今まで関わってこなかった人がうまく関われるわけがないと、夫のことを信用できません。

言葉を交わさないトラウマ
必要最小限の用事や、社会の出来事など理屈(理性)は話せても、お互いの気持ち(感性)を語り合えない夫婦がいます。気持ちが通じ合わないと、夫婦としての実感と安心感を持つことが出来ません。

セックスレスというトラウマ
人々は二つのコミュニケーション様式を用いて、親密さを成就します。ひとつが気持ちの触れ合い(言葉によるコミュニケーション)であり、もうひとつが身体の触れ合い(スキンシップ、そして夫婦間のセックス)です。言葉は理性を持った人間だけの特技ですが、スキンシップはまだ言葉を持たない赤ちゃんや、哺乳類動物でさえとても大切なコミュニケーションです。若い頃の生殖のためのセックスを終えた後、コミュニケーションのためのセックスを夫婦が行えないと、身体を通した安心を得ることができません。

親族から守ってくれなかった痛み
「嫁と姑」に代表される実家とのいざこざはどの家族にもあるものです。夫がしっかり仲介して、妻を守ってくれれば良いのですが、そのことから逃げていたり、実家側に付いたりすると、妻の痛みは大きなものです。妻がどれほど辛かったか、夫は未だに理解していません。

過去に起きた出来事は、たとえ現在は収まっていても傷の痛みは消えません。夫婦が深く気持ちを通じ合わせることが出来ません。
シコリを整理するためには、まず言葉に出してみることです。直接相手に伝えることが難しかったら、まず信頼できる人に打ち明けてみましょう。友だちや専門家など、家族ではない第三者が良いです。

家族の力で問題解決

強い心と弱い心

人は強い心と弱い心の両方を持っています。

弱い心
強い心
傷つきやすさvulnerability
回復力resilience
自己否定(自分で身を守れない)
自己肯定(自分で身を守る)・自信
外発的動機づけ
(まわりの力で動く:親のエンジン)
内発的動機づけ
(自らの力で動く:自分のエンジン)
困難さからの撤退
困難への挑戦

弱い心とは、傷つきやすさvulnerabilityのことです。自分はダメな人間と思い込み、周りの人が自分のことをどう見ているかとても気になり、人の視線を気にします。人の言葉や些細な行動を否定的にとらえ、人と関わることに自信を失います。傷かないように、ひきこもります。

強い心とは回復力resilience、言い換えれば心の元気さのことです。逆境に遭遇しても自信を失わず、困難に挑戦し、なんとか乗り越えようと前に進みます。相手から傷つけられても撤退せず、人と関わり続けます。
もともと「弱い人」「強い人」というのはありません。だれでも弱い心と強い心の両方を持っていて、その割合が変化しているだけです。
弱い心が増える状況とは、逆境や失敗体験が重なる時、喪失体験の悲しみが強い時、ストレスが加わり疲れがたまる時、孤立して理解してくれる人がいない時などです。
強い心が増える状況とは、物事がうまくいっている時、良き理解者が近くにいる時などです。

弱い心の割合が高くなると、自分は弱い人間だと思い込みます。しかし実際には、弱い心が前面に出て、強い心が陰に隠れ見えなくなっているだけです。
強い心の割合が高くなると、自分には乗り越える力があると自信を回復します。
状況によって、人はいくらでも弱くなります。
状況によって、人はいくらでも強くなれます。
ですから、諦める必要はまったくありません。
諦めてはいけません。

どうしたら、ひきこもりから抜け出すことができるのでしょうか?
強い心が十分に機能するようになれば、自然にひきこもりから脱します。

すべての人は自立する力を持っています
身体の栄養さえ足りていれば、子どもは自然に背が伸びます。その栄養素はたんぱく質、炭水化物、ミネラルなど食事に含まれています。
自律する力も同じ考え方です。心の栄養さえ足りていれば、子どもは自然とウチの世界から巣立ちソトの世界に飛び立ちます。
その栄養素は、守る愛放す愛という対人関係の中に含まれているふたつの栄養素です。

子どもの自立をうながす二種類の愛情
守る愛
放す愛
危機の回避・保護
傷つきへの挑戦
問題の早く見つけ保護する
本人を信頼して問題解決を任せる
傷つきやすさをカバーする
回復力を信じる
ウチの世界の万能的自我を承認する
ソトの世界の傷ついた自我を承認する
安定性を保つ
変化と成長を促す

守る愛は、子どもを無条件に愛し、そのままの姿を肯定します。思春期前の幼い子どもにとって重要です。
放す愛は、子どもの回復力を信じて、困難に挑戦する勇気を与えます。自立して、ソトの関係性に導きます。思春期には放す愛が重要になります。

自立する栄養素は、人との関わりの中にあります。
ソトの世界との接点が維持されていれば、人々との関わりから栄養を吸収できます。種々雑多な人々と試行錯誤を繰り返しながら、大人の関係性を少しずつ身につけていきます。家族はそれほど活躍する必要はありません。

家族が子どもに自信を与え、ひきこもりを回復する

しかし、ひきこもると、ソトの人たちとの交流が途絶えます。唯一、関わることができるのは、家族の人たちです。家族が良質なふたつの栄養素(守る愛と放す愛)をたっぷり与えます。
ひきこもりの脱出には、家族の力がとても大切になります。

ひきこもりの葛藤期には、ストレスから身を守ろうとする子どもを信じて、守る愛を与えます。親は口出しをせず、子どもに任せて、安心してひきこもれる環境を提供します。
ひきこもりの自閉期と試行期には、子どもの潜在力を信じて、放す愛をたくさん与えます。安心してひきこもりから脱する環境と、社会に戻る勇気を与えます。
 よくカウンセラー(心の専門家)は「ひきこもっている子に対して親や周りの人は、何も口出しせず、子どもが自らの力で回復するのを待ちましょう。」と言います。これは葛藤期に大切です。親の過剰な言動は、子どもにとってストレスとなります。
 しかし、自閉期と試行期には逆効果です。子どもの関係性から大人の関係性に切り替えることができず、ひきこもりが長期化します。この時期に家族は放す愛をたっぷり与え、安心して社会に飛び出す環境を与えます。

親の強い心弱い心
親の心にも強い心と弱い心があります。
親の強い心は子どもを信頼して、子どもの状況をよく見極め、守る愛と放す愛を上手に使い分けます。子どもに安心感を与えます。
親の弱い心は、子どもが傷つくことをとても心配します。子どもに不安感を与えます。そして、守る愛と放す愛のバランスを失います。放す愛が必要な時にも、守る愛を与えすぎてしまいます。子どものことを先回りして心配して、子どもにたくさん口を出したり、守りすぎてしまいます。自立したい思春期の子どもは、そのような関わりをとても嫌がります。
あるいは、不適切な放す愛を与えてしまいます。子どもは、親との良い関わりを求めています。しかし、子どもが親から何かを言われるのを嫌がるだろう、親からの影響を嫌がるだろうと過剰に心配して、親は何もしない方が良いと思い込んでしまいます。結果的に、腫れ物に触るように子どもに接し、親の愛を何も与えられなくなります。
子どもがひきこもると、親は自分の失敗と受け止めて、子どもに関わる自信を失い、弱い心が増殖していきます。

家族力を発揮するために

ひきこもりに限らず、家族の力は、子どもや家族の問題を回復へ導きます。家族の力とは、家族みんなが強い心をしっかり保持して、ちゃんと繋がっている状態です。そのためにできることを具体的に説明します。

孤立した子育てからの解放
子育ては難しいものです。一人だけではうまくいきません。
子どもが学校に上がるまでは保育園や地域の子育てサポートもあり、若い父親も積極的に子育てに参加します。しかし、小学校に上がると、一見手がかからなくなるので、母親一人で育てられると思いがちです。
思春期の子育ては難しいものです。思春期こそ多くの子育てサポートが必要です。

母親中心の子育てからの脱却
児童期から思春期に入ると、子どもへの関わりが格段に難しくなります。手はかかりませんが、高度な判断が求められます。子どもは自立しようとして親に反抗します。親も子どもも傷つきます。親は守るべきか、放すべきか迷います。誰にも相談できず、ひとりで子どもに関わっていると、どうしても保守的になり、のびのびとした元気な子育てが出来ません。どうしても安全な方向、つまり守る愛に傾きがちになります。
母親ひとりだけではなく、子育て体験を同じ目線で関わる人が必要です。

父親と母親が協力する
思春期の親は働き盛りの世代で、仕事のストレスも大きく、子どもや家庭のことを考える余裕がありません。夫婦で子どものことを話し合う時間も十分ではありません。子どもが順調に成長している時は、それでも構いません。
しかし、子どもに問題の兆しが見えた時、父親は仕事の忙しさを乗り越えて、家族の時間を意図的に作り出します。たくさんの時間は必要としません。短時間でも良いから、毎日子どもの様子を情報交換して、どう関わったら良いのか、両親でよく話し合います。それが家族の力です。

母親と父親が折り合う
男親と女親は考え方が違うものです。
伝統的に、母親は守る愛を、父親は放す愛を発揮します。
困難な状況に遭遇した時、母親は「無理しない方が良い」と伝え、父親は「困難に立ち向かえ」と伝えたります。
言っていることは反対なのですが、どちらが正しくてどちらが間違っているということではありません。両方の要素が必要です。両方のやり方を折り合わせて、子どもに関わってあげてください。

家族の負の遺産を整理する
家族はプラスとマイナスの体験を前の世代から引き継いでいます。負の遺産を多く抱えていると、プラスの家族の力を発揮できません。家族の力を発揮するために、棚上げしていた遺産を整理します。具体的には次のような体験です。

1)喪失の悲しみ
死別や離別によってパートナーを失った時、あるいは子どもを突然失った時、親は守る愛に傾きがちになります。特に、家族を自死により失う痛手はとても大きいものです。はとても辛いので、記憶を心の冷凍庫に凍らせています。しかし、心に秘めた悲しみいつまでも消化できません。
悲しみを整理するためには、それを安全に語り、触れてはいけない思い出から、想起しても大丈夫な思い出に変換します。

2)失敗体験
過去の失敗から回復できていないと、また失敗を繰り返すのではと心配します。
例えば、子どもの頃、ひきこもっている人が家族にいると、親になっても自分の子どもがひきこもるのではと心配します。きょうだいが親と葛藤している姿に傷つくと、親との葛藤を避け「いい子」を演じようとします。

3)心配性の世代間伝達
自分の親からたくさんの心配を受けると、過剰に心配すること(弱い心)が家族の伝統となり、自分の子どもにも必要以上にたくさん心配します。

タイムマシンで過去に戻り、これらの遺産(喪失・失敗・心配性)を取り消すことはできません。負の遺産を思い出すのはとても辛いのですが、その体験を言葉で語り、信頼できる人に受け止め、理解してもらいます。すると、今までは「語ることができない、恥ずかしい、自尊心を下げる体験」が、「辛いけれど話すことが出来て、人が理解してくれて、同じような境遇に遭遇すれば誰にでも起こりうる体験」に変換されます。そうすれば、自分を責める必要がなくなり、過去の遺産を清算できます。
家族を縛っていた負の力から解放されると、新たな家族の力を呼び戻すことができます。

安心できるガイドラインを与える
思春期は学校、進路、就職、結婚と、さまざまな選択肢が待ち受けています。道に迷った時、どの方向に進んだらよいのか明確なガイドラインが必要です。決めるのは本人です。しかし、どの道が安全で選んでも良い道なのかを示すのは親の役目です。
 子どもに問題が生じると、親はどう子どもに関わったらよいのか迷います。
l  今、子どもに何が起きているのか?
l  なぜ、そうなるの?
l  どうすれば解決できるのか?
l  子どもにどう接したら良いのか?
これらの疑問に答えてくれる明確なガイドラインが必要です。
今まで行ってきたやり方でうまくいかなければ、違った新しい視点が必要です。
そのために、子どもと家族を支援してくれる第三者につながります。田村研究室では、子どもと家族の正確なアセスメントを行い、的確なアドバイスを差し上げます。